29Sep
Kouです。
「Kouさん、いつになったら器用貧乏の話をしてくれるんですか!」
という質問が来ます。
今その話をしようと思うとったんや。
もう大分前の話なので忘れているかもしれません。
まずはこちらの記事を読んでください。
この記事で、割を食わないようにするための心構えについて説明しました。
器用貧乏な人はどんどん仕事を押しつけられます。
そして本人には余り自覚がないので、どんどん引き受けてしまいます。
どんどん仕事を引き受けて、その分お給料もガッポリもらえるのならいいんですけどね。まだやりがいがありそうです。
しかし多くの場合そうではありません。
貧乏暇なし、なのです。
これを回避するにはどうしたらいいんでしょうか。
今日はそれについて徹底的に話をします。
実はこのことは、ダラダラと長く記事にするほど解説することがないんです(^^;
ほぼ一発で説明できてしまうことだからです。
早速言います。
言いますね。
まず器用貧乏になってしまう理由を知ることが大事です。
その理由は、ズバリ、自分の労働の価値を過小評価していることです。
自分にしかできない特殊技能であっても、取るに足りないことくらいに思っているわけです。
自分にしかできないことだから、やってやるしかないと思っています。そしてやってやるけれども、それはなぜかサービスみたいな感覚になっています。
なぜなら、他の人はできないのだから自分がやってあげるしかありません。選択肢がないんです。仕方がないんです。
別に自分じゃなくてもいいんです。それができる人がいるのなら。
でもそんな人はいない。
「じゃあアンタがやってよ」
と言われて仕方なくやっているような感じです。
そこまでの口調で言われていないとしても、多くの場合、周りはそういう感覚なんですよね。
「アンタしかその仕事できる人いないんだから、やるのが当たり前でしょ?」
くらいの感覚です。
これでもう分かると思うんですが、やるのが当たり前くらいに思っている人たちは、そこに対価を支払おうなどとは考えもしません。
実はこの現象は、日本国内では結構色んなところで起きています。技術者に正当な対価を支払わないんです。
人手不足と言いますが、人手不足じゃないんですよね。
評価不足なんです。
正当な評価をされないからやりたがらないんです。
そしてその中でも頑張ってその仕事をやろうとする人がいて、残念ながらそういう人たちはどんどん器用貧乏の世界に入り込んでいきます。
もうどうしようもないじゃないかと思うかもしれませんが、そうではありません。
実はそうなってしまう理由は、技術者の方にもあるんです。
自分の能力を正当に評価してもらえないと不満を持つ人も、案外自分の技能を正当に評価しようとしていないんです。
生み出した価値の対価を、堂々と受け取るという感覚がないんです。
無料でやってあげれば相手は喜ぶ、それが最高のサービスだと心のどこかで思ってしまっています。
人は無料のものには価値を感じにくいものです。
タダや追加の支払いなしに受け取れるものには、大きな価値なんて感じられません。当然それを評価しようなどという感覚も出てきません。
相手もそんな感じですが、無料でやっている自分もそうなんですよね。無料で出している自分の労働に、自分でも価値なんか感じていないんです。
だから、請求できないんです。
これがカラクリです。
僕が記事にコメントを書いてほしいと昔から言い続けているのは、僕が記事を無料で出していると思いたくないからでもあります。
ただ働きしていると、どれだけ自分で価値がある価値があると念仏のように唱え続けたとしても、実際にその労働に価値を感じることはかなり難しいんです。
当然それに対しての対価の請求もできないので、どんどん貧乏になっていきます。
つまり答えは簡単で、自分の仕事を正しく評価し、その対価を堂々と請求する心構えを持つことです。
これが器用貧乏を脱するための方法です。
どうでもいい仕事は、基本頼みやすい人に頼みます。
頼みやすい人とはどういう人でしょうか。
不平や文句を言わない人です(笑)。
そして、対価を請求してこない人です。
本当にしてほしい仕事は、対価を支払ってでもやってもらいたいと考えるものです。
どうでもいい仕事を押しつけられるのを回避するためには、応分の報酬を要求するしかありません。
会社組織に正社員で所属していると、この請求が難しい場合もあります。
原則として指揮命令には従わないといけないからです。
しかし、それでもキャパを超えているものを拒否するとか、再評価の対象にしてもらうような要求はしてもいいと思うんです。
仕事本とかでよく言われている文句もここでやっと使えます。
「私がそれをやってもいいですが、私の仕事がその分遅れることになるのは理解してください」
言っていいんです。
この際なので言っておきますが、上司というのは責任をなすり付けるために存在する役です(笑)。
スローする相手です。
「私はこれ以上はできないのでギブです。あとは采配よろしこ」と言っていいんです。できない量の仕事をさせられて部下が責任を問われるのは明らかに間違っています。しかしこの問題で悩んでいる女性が結構いるようで、僕のところにはその手の相談が今も時々来ます。
自分の仕事を正当に評価しようと思ってください(^^
これは極めて大事なことです。
コメント
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コメント (5)
こうさん
まだまだ器用貧乏だなぁと、自覚しつつ。
先月から入ってきた新人さんに、わたしは引き継ぎしつつ、教えてます。
すでに社会経験は10年以上はある方だけど、慎重派でおとなしめなタイプで割とおんぶに抱っこしてくる感じが、最初はキツイなと思ってました。
わたしもタイミング悪く忙しくなってきて、一つ教えると問題がいくつか勃発して、わたしの仕事は増えるばかりでした。
間違えた事を注意すると、横からわたしが厳しいと言われたり、わたしのパソコンが壊れてできなかったのに状況を知りもせずに怒られる始末でした。
泣きはしなかったけど、なんなんだろうと思ってたら、まず同僚男性が電話してきてくれて、いろいろ話せました。
次に、何も関わってない入社したての新人さんとは別のチームメイトも、「仕事しすぎじゃないんですか?」と労ってくれたり。
怒ってきた人も、わたしの状況がわかってまずいと思ったのか、何となく気にしてる感じではあったけど、多少一緒に仕事してきた仲なのに、頭から怒られるほど信頼されてなかったのがショックで、あまり元のようには思えなくなってて。
当の新人には、その後もわからなそうなところはフォローしつつ、注意はしてたんです。
すると何故か、怒ってきた人に、自分がわたしに助けてもらってることをわざわざ聞かれてないのに伝えてたんですよね。
わたしは、自分からそこまでいちいち説明しようと思ってなかったので、驚きました。
何だかその新人に、ちょっと助けられたような気がしました。
器用貧乏はまだまだ抜けないけど、、。
まずは第一関門を抜けた感じです。
「自分の労働の価値を過小評価していること」
たまたま今日このことを友達に伝えたところです。Kouさんの教えを人に伝えていたとは。笑
話したのは労働の価値についてではないけれど、意味合いとしては似ていました。
私も器用貧乏体質なので、自分の自己分析も一緒に話せていたことに成長を感じます。自分を客観視出来ていました。
今日のブログからこちらに飛んできてなんてタイムリーってまたもや感動してしまいました。
そして都合の良い女って扱われ方は器用貧乏と似ているような。。。
「僕が記事にコメントを書いてほしいと昔から言い続けているのは、僕が記事を無料で出していると思いたくないからでもあります。」
そうでした。
いつも本当にありがとうございます!
私が変わったとKouさんが感じることが出来る日が来たら、それはきっとプライスレスw笑
改めてすごいお仕事だなと思います。
コメント書くのに沢山考えてますよ♡
読んで考えてコメント書くだけで自分が変わる。本当すごいことだと思います。
復習コメント巡り中です!
久しぶりに昔の記事を読むととても勉強になります!
これがKouさんが言っていたことなんだなぁと。
前に読んで分かったと思っていても、時間が経つと忘れてしまっていて、また新しく聞いたことのように思ってしまう。。笑
それは、そのときの自分にはすぐには必要のないことだったのかもしれないし、今の自分に当てはまるところがあるから目に止まったのかもしれない。
それにしても、確かに人は頼みやすい人に頼むというのは凄く納得です。。
最近の私は文句や意見を言うのがめんどくさくて、避けてばっかりでとりあえず受け入れとけば楽だと思ってた。
でも、なんか自分の中のモヤモヤは溜まってく一方だし、自分の気持ちも分からなくなり、なんだか自分が嫌いになりそうなとこまで行ってました。。
仕事相手は、全く人の気持ちも分からず、話も言ったことを全然理解してくれず、会話も噛み合わずとんちんかん。
要領が悪くて、あまり仕事も捗らないのに、他の人の意見は聞いたような適当な返事ばかりして、何も改善したり取り入れたりしない。
めんどくさくてほったらかしてたけど、私が上手になったらうまく転がせるのか?仕事もやりやすいように持っていけるのか?
そのためにはコミュニケーション?対話の仕方を勉強したらいいのか?
まだまだ改善の余地はあるのだなぁと、めんどくさがってる場合じゃないなと思いました。
まだ解決策は分からないけど、昔の記事を漁りながら、コメントも残して色々考えてみようと思います♪
Kouさん、ブログを書いてくださりありがとうございます。
私の難点は対価を堂々と求めることができないことだなぁと、認識できて良かったです。
そのためには自分の価値を正しく認識する必要がありますね。
自分の労働の価値を正当に評価するのは、今の私には難しいですが、少しずつ改善していきます。
また、逆に自分も周りの方に対して当たり前のように頼んでいないかしら…?と思いました。
自分を大切にする方法を知って、周りの人も大切にできるように成長したいです。
30代前半の頃、上司が受けるべきお客様相手の仕事すべて、私よりも年上の先輩二人をスルーして私にばかり回される時期がありました。この仕事は本当に大変でした。
メインの仕事と直接関係ないので、評価の対象にならないですから。そして、仕事を回される時の理由も「他に誰もいないから」と釈然としないものでした。
「できるように彼らを育てるのは上司であるあなたの仕事でしょう」「先輩二人を差し置いて私にその仕事を与えるならそれなりの理由を示してください」
と訴えたところ、その二人の先輩よりも先に昇格しました。回避するために請求した応酬のために、自分自身が苦しい立場に立たされてしまい、何だかなぁと思ったものです。
そんな苦い思い出もありますが、
「自分の仕事を正しく評価し、その対価を堂々と請求する心構えを持つ」
は自分を守ることの基本だと思います。私はまだまだ、できてない時があります。
お名前を出して僭越ですが、ユイさん、まきさん、お二人はプロ意識がすごく高いですよね。
私も、プロたるもの、どんなにしんどくても平然と仕事をこなしたい、と思い、大変なところを晒さないようにするのが矜持、くらいにしていましたが、
年をとったからか図々しくなって、疲れてフラフラしているようなジェスチャーを平然と見せられるようになりました。
そうすると、仕事を正しく評価されるようになったと思います。
仕事のすごさとか正確さよりも、どれだけ大変そうか、の方が人には伝わりやすいですね。仕事の質の評価というのは、そのレベルでこなせる人にしか評価できないと思います。
そういう、真価を褒められるような評価をしてもらうととても嬉しいですけど、5年に一度あるかないかのレアケースに感じます。
この記事と対応する「損な役回りから完全に解放される方法」のように、同じ報酬をもらうなら仕事をたくさんした方が得、という捉え方は、本当にすごいです。
ユイさん、まきさんのお仕事は、むしろこちらのお話も含まれるのかなと思いますが、明らかなキャパオーバーは上司の采配ミスですよね。
みなさんのコメントをじっくり読みながら、仕事系記事の巡回中です。